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光源氏 娘(のちの明石の君) 頭中将 弘徽殿大后 右大臣
明石の入道 入道の妻 桐壺院
雅楽「青海波(せいがいは)」を舞う光源氏(左)と頭中将
須磨に源氏を訪ねてきた頭中将(左大臣家の長男)
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
明石入道の娘は17歳。
とりたてて容姿に恵まれているほうではないが、やさしく気品があって聡明なところは、都の貴婦人たちに負けないものをもっている。
ただ父親に似てきわめて気位が高く、日頃、わが身の境遇を嘆いている。
「源氏の君ほどの身分の方は、わたしのような田舎者を相手にしてはくださるまい。
かといって、身分相応の結婚などしたくない。
わたしを大事に育ててくれた両親に先立たれたら尼になるか、海の底に沈んだほうがまし」
清少納言もそうだが、紫式部ほどの才女をもってしても「時代の制約」を免れないらしく、田舎(地方)をあからさまに見下している
入道は秘かに期するところがあって、1年に2度、娘とともに住吉神社に参詣した。
年が改まった。
源氏は、惟光や良清らほんの数名の従者との男所帯で侘しく暮らしている。
新年といってもとくに何をすることもなく無為に日々を送っているうちに、いつのまにか庭先の梅がほころび、一輪ほどの暖かさと香りを運んでくれる時節になっていた。
須磨ノ浦に明るい光が射すようになると、あたりの気配が柔らかくなり、去年植えた桜の若木に花がちらほら咲き出した。
陽気に誘われてか、源氏は内裏での暮らしを思いだすことが多くなった。
「南殿の桜(左近の桜)は、もう盛りだろうか。桐壺院の御前で、桜の枝をかざして頭中将と青海波を舞った春が懐かしい」
その頭中将が、思い掛けずやって来た。
宰相に昇進したという。
人柄がいいので世間の信頼は厚いが、右大臣と弘徽殿大后が牛耳っている宮廷がつまらなくて、日頃から源氏に一目会いたいと思っていたそうだ。
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須磨22頭中将
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