平忠盛 菊池容斎画(江戸時代)
平清盛と織田信長は、日本史上における屈指の英雄である。
両者とも、時代の変革期に、歴史の舞台中央に登場した花形役者である。
清盛は貴族社会のたそがれ時に現れて、武家社会への扉を開こうとした。
信長は中世の停滞を打破して、近世社会を切り開いた。
ふたりともに類まれな鬼才であり魔王の側面をもち、絶対君主的である。
もう一つ、見逃せない面が共通している。
清盛と信長が、大見えを切った華やかな大舞台を演出したのは父親(以下、忠盛を清盛の父と表記)であるということだ。
信長が平資盛(すけもり:清盛の孫)の子孫、つまりは清盛の末裔を自称していたのは、政治的な意図があったとしても、両者に何かしら縁があるようで興味深い。
ただ余談ながら昨年、信長のルーツとされる福井県越前町の剱(つるぎ)神社付近で、信長の十数代前の先祖といわれる親真(ちかざね)の没年を記した墓石の銘文が確認されて、信長平氏説は根拠の薄いものになっている。
守護代・織田大和守家の三奉行の一つでしかなかった自家の勢力拡大を図って、息子が尾張一国にとどまらず、天下に雄飛する礎を築いたのは父・信秀である。
清盛が平安末期とはいえ、貴族社会の世に、武士でありながら太政大臣という位人臣を極めたのは、父・忠盛が苦労の末、貴族の末席に一歩足を踏み入れたからであろう。
★私は昨年の7月からテレビを見ていないが、NHKの大河では中井貴一が平忠盛を演じている。
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平家物語の群像 平忠盛①
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