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Channel: 吉備路残照△古代ロマン
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自然との一体感 ③天候の急変

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$吉備路残照△古代ロマン-四王寺山 都府楼跡(とふろうあと:大宰府政庁跡)と四王寺山

西鉄大宰府駅で電車を降りて、四王寺山峠近くのあずまやに辿り着いたのは正午過ぎ。

駅前の店で買い込んでいたお握りとお茶を、ビニール袋から取り出した。

お気楽にビニール袋を手にぶら下げて、山道を歩いてきたのだ。


お握りを頬張っていると、朝から照りつけていた真夏の日差しが次第に弱まり、雲の量が急に増えた空から、ポツリポツリと雨が落ち始めた。

出かける時分は抜けるような青空だったし、高い山でもないし(410m)、雨具の用意など思いもよらなかった。


腹を満たすと、小雨の中を再び歩き始めた。

雨は、激しくはならないものの執拗に降り続いた。


だが、四王寺山の山頂を越えたあたりで、雨が本格的に地面を叩きはじめる。

足もとが滑りやすくなった。

もちろん、登山の服装でもなければ、登山靴を履いているわけでもない。


あずまやでも巨木でも何でもいい、どこかで雨をやり過ごせないものか。

ずっと左右に目を配りながら山を下って行ったが、雨をしのげる場所がいっこうに見つからない。

全身、ずぶ濡れだ。


ふもとの家並みが視界に入る頃になってやっと、土木工事の作業場らしい無人の小屋が目に入った。

小屋に走りこんで、入口に立っていると、目の前へ何度も何度も、濁流がものすごい勢いで押し寄せ、うず高く積んである砂利や赤土を、激しい音を立てて運んでいった。


トタン屋根を打つカミナリのような雨音が、耳をつんざく。

Sと話そうとしても、お互いの声がまったく聞き取れない。


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