大宰府天満宮本殿 祈るは受験生をもつ父親か 1/14、15はセンター試験
その日は、JR博多駅で新幹線を降り、高校時代の同級生・Sの部屋に顔を出した。
ジョルジュ・ムスタキの『私の孤独』が流れていた。
その時、「おやっ、Sも、ムスタキを聴いているのか」と、一瞬だが、不遜な思いに囚われた。
東京から帰ってきたという、それ自体なんの意味もない事実のもたらした意識のありように、やや戸惑ったことを覚えている。
地方出身者のうち、東京でしばらく暮らすと、なぜか方言を口にしようとせず、同郷人に対しても、付け焼き刃の東京弁を使いたがる人種がいる。
その時の私の意識の中に、付け焼き刃の東京弁に通底するものがあったのかも知れない。
翌朝早く、Sと大宰府天満宮や都府楼跡(大宰府政庁跡)、観世音寺などの後背をなす四王寺山(しおうじやま)に向かった。
四王寺山には、白村江の戦いに大敗した天智天皇が、唐・新羅連合軍の逆襲を警戒して、大宰府防衛のために築いた大野城の城跡が残っている。
朝鮮半島を追われた百済の築城家の指揮下、築いたといわれる古代朝鮮式山城てある。
吉備路の北方にそびえる鬼ノ城と兄弟のようなものだ。
その大野城址を探訪しようというわけである。
大宰府周辺には、古代の山城や水城、大伴旅人や山上憶良らの万葉歌人、そして菅原道真にゆかりの深い遺跡など、遠の朝廷(とおのみかど)と呼ばれていただけあって見所が多い。
空は、朝からまぶしく、日中の猛暑を兆していた。
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