光源氏 朧月夜(おぼろづきよ) 桐壷院 藤壺中宮 朱雀帝 弘徽殿大后 右大臣
国宝「源氏物語絵巻」から「宿木」 徳川美術館 名古屋市
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尚侍(ないしのかみ 朧月夜)がそれまで住んでいた登花殿が暗くて陰気だったのに対して、弘徽殿は明るく光があふれている。
女房たちも、数えきれないほどに増えた。
しかし、尚侍は片時も源氏を忘れられず、一人になるといつも悲しみに暮れていた。
ひそかに、手紙のやりとりはしている。
源氏は、「噂が立ったらどうなることだろう」と案じながらも、もともと「危険すぎる恋」に強く引かれる性癖なので、かえって恋心がつのった。
藤壺中宮は、故・父桐壷院の后。
尚侍は腹違いの兄朱雀帝の寵姫であり、政敵右大臣の娘。
ともに危険きわまりない、朝廷の根幹を揺るがしかねない「禁断の恋」である。
露見していない前者はもちろん、後者も今なお続いていることがもし発覚すれば、帝に対する反逆罪が成り立つ。
とくに前者は、源氏と藤壺中宮だけではなく、間違いなく東宮にも累が及ぶ。
そもそも、源氏と藤壺中宮とのあいだの子が東宮であること自体、「万世一系」が建前の皇統を冒しているのだ。
なお、「危険な恋」に突き進みがちな源氏は、「据え膳食わぬ」を恥としなかった。
藤壺中宮は、東宮を守るためだけに生きてゆく。
弘徽殿大后は桐壷院の在世中こそ遠慮していたが、亡くなると一気に、源氏を宮廷から追放すべく画策する。
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賢木⑱危険な恋
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