斎宮行列
野宮神社出発~JR嵯峨嵐山駅~嵐山渡月橋
市女笠(いちめがさ)をかぶった旅装束の平安女性
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「賢木(さかき)」に戻ります
斎宮(さいぐう)が野の宮を出発する時には、源氏から心のこもった歌と手紙が届いた。
さらに、六条御息所の旅装束から付き添いの女房たちの衣装や調度品まで、きちんと整えて届けてくれた。
御息所(みやすどころ)と斎宮母娘は、奥ゆかしく風雅な趣味人として、つとに知られている。
それゆえ、旅立ちの日にはその華麗な装いを一目見ようと、沿道には大勢の老若男女と物見車が繰りだした。
午後3時すぎに内裏(だいり)に到着するが、御息所は無性に情けなかった。
亡き父の大臣が、「后」の位を望んで「東宮妃」にしてくれたが、いまは悲しいほどに境遇が様変わりしている。
30歳のいま、「后」どころか娘の斎宮の伊勢下向に付き添う形で、ふたたび内裏を目の当たりにするとは---。
紫宸殿(ししんでん) 内裏の正殿
御息所は、紫宸殿を見上げながら悲しみを詠んだ。
○ そのかみを 今日はかけじと 忍ぶれど
心のうちに 物ぞ悲しき
昔のなつかしい日々を今日は思いだすまいと決めていたのですけれど、やはり心の中は悲しみに満ちております
斎宮は、14歳になっている。
マンガでわかる 源氏物語 (池田書店のマンガでわかるシリーズ)/池田書店
¥1,296
Amazon.co.jp
第三の男 [Blu-ray]/NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
¥2,037
Amazon.co.jp 前回の「学生のための20世紀名作映画講座」はVol.6まで、この「第三の男」はVol.7まで
↧
賢木⑩母と娘
↧