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Channel: 吉備路残照△古代ロマン
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のぞきの系譜@記紀神話  大物主と百襲姫③

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$吉備路残照△古代ロマン-箸墓古墳 箸墓(はしはか)古墳

しかし夫婦になっても、大物主(オオモノヌシ)は夜にしか、百襲姫(モモソヒメ)を訪ねてこない。

しかも、夜が明ける前にいつも帰ってしまう。

そこで、百襲姫は夫に頼んだ。

「どうか、お願いだから朝まで一緒にいて下さい。あなたの麗しいお姿を拝見したいのです」。


大物主は、「いいだろう。明朝、わたしは箱の中に入っている。百襲姫よ、わたしの姿を見て、決して驚かないように」。

だが、翌朝、百襲姫は箱を開けると、腰を抜かさんばかりに驚いて叫んでしまった。

そこには、小さな美しい蛇が……。

百襲姫が初めてのぞき見た、夫の正体はだったのだ。


大物主は怒って、「決して驚いてはいけない、と言ってあったのに。お前はわたしに恥をかかせた。お前も恥を見ることになろう」と言い残すと、空を駈けて、三輪山に帰って行った。


後悔と悲しみに打ちひしがれた百襲姫は泣き崩れ、座り込んだ拍子に陰部を箸で突いて絶命してしまった。

このことから、百襲姫の亡骸が葬られた墓が「箸の墓」、つまり箸墓古墳と伝えられている。

わが国最初の、巨大古墳(前方後円墳)である。


一方、箸墓古墳を卑弥呼の墓に比定する説がある。

もし、これら二つの言い伝えを採ると、百襲姫はすなはち女王・卑弥呼であり、三輪山麓の纒向(まきむく)遺跡こそ、邪馬台国ということになる。

そして、それが邪馬台国九州説に対する、畿内説の有力な根拠になっているのだ。


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