三輪山と大神(おおみわ)神社の大鳥居
そこで、大物主の要求に従って大物主を祀ったところ、疫病はピタリと収まった。
疫病がおさまると、野心家の崇神は、まだ大和政権に従属していない各地の豪族を平定するために、四道将軍を派遣する。
すなわち、オオビコ(大彦)を北陸道へ、タケヌナカワワケ(武渟川別)を東海道へ、キビツヒコ(吉備津彦)を西海道へ、タンバミチヌシ(丹波道主)を丹波道へ派遣して、それぞれの土地を平定させた。
それ以後、国が安定し栄えたことを称えて、日本書紀は崇神を、御肇國天皇(はつくにしらすすめらみこと)と呼ぶ。
神武をさす始馭天下之天皇と表記こそ違うが、読みは同じ。
最初に国土を統治した天皇という意味の、はつくにしらすすめらみことだ。
つまり、日本最初の統治者が、ふたり存在することになる。
だが、神武はあくまで実在性の疑わしい神話の中の人物。
欠史八代を飛ばして、崇神が初代天皇とする説が有力だ。
その宮のおかれた地が、三輪山の山麓一帯に広がる纒向遺跡で、大和政権発祥の地として、近年とみに注目されている。
卑弥呼の邪馬台国に比定する説も侮れない。
その三輪山の神は、先に疫病を流行らせた大物主。
大物主は、出雲大社の主神・大国主ととても関係が深い。
疫病を鎮めた百襲姫は、のちに大物主の妻となった。
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のぞきの系譜@記紀神話 大物主と百襲姫②
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