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Channel: 吉備路残照△古代ロマン
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女君たち⑩ライバル

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 紫式部 土佐光起筆 石山寺蔵

   ◇   ◆   ◇   ◆   ◇   ◆   ◇

源氏は朝方、雪あかりのなかで初めて末摘花(すえつむはな)の顔を見るが、そのあまりの醜さに腰を抜かした。


源氏には恋や芸能や学問や立身出世など、あらゆる方面で張り合っている頭中将(とうのちゅうじょう)というライバルがいる。

左大臣の長男で、源氏の正妻・葵の上(あおいのうえ)の実兄である。

ふたりが恋敵だったわけはないが、源氏が「好き」になった夕顔は、頭中将がかつて通っていた女だ。

しかし、源氏夕顔が恋仲だったことも、夕顔六条御息所の生霊にとり殺されたことも、終生、頭中将はしらない。

恋多き源氏だが、心から「好き」だったのは本流のふたり(藤壺の宮若紫)と夕顔の三人。

末摘花3 琴を弾く末摘花
小柴垣を隔ててひだりが光源氏、みぎが頭中将

恋のライバルとしてふたりが競ったのは、まず末摘花である。

源氏乳母子(めのとご)から、「末摘花は琴の名手」と聞き、興味を覚えて常陸宮邸の荒れほうだいの庭で耳をすました。

しばらく聴いて、「それほどでもないな」と帰りかけると、頭中将が邸内を垣間見ている。

末摘花頭中将が関心を抱いていることを知ると、 急にライバル心をかきたてられた。

源典侍 
岸田今日子
の源典侍(げんのないしのすけ)
『千年の恋 ひかる源氏物語』

源氏頭中将が恋の争奪戦を演じる二人目は、60歳近くになっても性に奔放で、若い男を見るとすぐに色目をつかって口説きにかかる、肉食系女子の源典侍である。




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