紫式部 土佐光起筆 石山寺蔵
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源氏は朝方、雪あかりのなかで初めて末摘花(すえつむはな)の顔を見るが、そのあまりの醜さに腰を抜かした。
源氏には恋や芸能や学問や立身出世など、あらゆる方面で張り合っている頭中将(とうのちゅうじょう)というライバルがいる。
左大臣の長男で、源氏の正妻・葵の上(あおいのうえ)の実兄である。
ふたりが恋敵だったわけはないが、源氏が「好き」になった夕顔は、頭中将がかつて通っていた女だ。
しかし、源氏と夕顔が恋仲だったことも、夕顔が六条御息所の生霊にとり殺されたことも、終生、頭中将はしらない。
恋多き源氏だが、心から「好き」だったのは本流のふたり(藤壺の宮と若紫)と夕顔の三人。 琴を弾く末摘花
小柴垣を隔ててひだりが光源氏、みぎが頭中将
恋のライバルとしてふたりが競ったのは、まず末摘花である。
源氏が乳母子(めのとご)から、「末摘花は琴の名手」と聞き、興味を覚えて常陸宮邸の荒れほうだいの庭で耳をすました。
しばらく聴いて、「それほどでもないな」と帰りかけると、頭中将が邸内を垣間見ている。
末摘花に頭中将が関心を抱いていることを知ると、 急にライバル心をかきたてられた。
岸田今日子の源典侍(げんのないしのすけ)
『千年の恋 ひかる源氏物語』
源氏と頭中将が恋の争奪戦を演じる二人目は、60歳近くになっても性に奔放で、若い男を見るとすぐに色目をつかって口説きにかかる、肉食系女子の源典侍である。
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