『源氏物語画帖』 伝土佐光起筆
スズメが飛んでゆくほうを眺める若紫。
僧都の家を垣間見る光源氏若紫(紫の上)関連の系図
光源氏 藤壺 兵部卿宮(ひょうぶきょうのみや) 尼君 僧都
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
ある女流作家によると、「源氏が、性愛の奥義に目覚めたのは夕顔のおかげ」だそうだ。
18歳の春、源氏は病気療養のため北山(鞍馬山)に出かけていた。
散歩がてら近くの家を小柴垣ごしにのぞくと、上品な尼君にむかって10歳ほどの美少女が駆けてきた。
源氏は、目を見張った。
なんと、あの藤壺の宮とそっくりではないか。
この少女こそ、若紫のちの紫の上である。
なお、彼女の「紫」から、藤式部(藤原氏出身)である「源氏物語」の作者を、紫式部と呼ぶようになる。
それほど、紫の上は当時の読者に人気があった。
後日、藤壺の宮の姪にあたることが分かる。
紫の上は光源氏につぐ物語の主人公で、これから先、幸せの絶頂から悲しみのどん底まで、源氏との二人三脚の場面がふえてゆく。
藤壺の宮が出家するまで、源氏の<恋路の本流>が2本、並行して流れる。
とうとうと流れる水量豊かな川の真ん中に巨岩があって、そこから水がふたてに分かれて流れてゆく様をイメージしたらいいだろうか。
二条院跡 現・夷川(えびすがわ)児童公園
二条院…桐壺更衣の実家を、桐壺帝が増改築した。
祖母の尼君が亡くなると、源氏は自分の手で若紫を「理想の妻」に養育するため、父の兵部卿宮から奪うようにして二条院にひきとった。
誰も教えてくれなかった『源氏物語』本当の面白さ (小学館101新書)/小学館
¥756
Amazon.co.jp
奈良・京都の古寺めぐり―仏像の見かた (岩波ジュニア新書)/岩波書店
¥929
Amazon.co.jp どんな心の闇を抱えて、犯人はこんな取り返しのつかないことを繰り返しているのでしょう
↧
女君たち⑦若紫を発見
↧