神武東征 経路
神代の昔。
イザナギは、黄泉の国で、全身にウジ虫などがたかっている妻・イザナミの変わり果てた姿をのぞき見したばかりに、恐怖のあまり逃げまどった。
イザナギの末裔・山幸彦は、地上で、出産時に巨大なワニの姿でのたうち回っている妻・トヨタマビメをのぞき見るや恐ろしくなって、おっとり刀で逃げ出した。
そうした男神たちの情けなさが露呈してしまった出来事から、どれほどの時間が流れたのか見当もつかない。
神話とはいえ世に名高い神武東征の結果、イハレビコは大和地方を平定し、初代天皇として即位した。
神武天皇である。
二代から九代までは、ほとんど事績がなく、欠史八代と呼ばれている。
天皇家の歴史をできるだけ長く見せて、権威を高めるための脚色のようだ。
戦前は、初代・神武から欠史八代を含めて、歴代天皇の名前を丸暗記させられたらしい。
学校などで、「さぁ~、大きな声で~元気よく~」。
①神武→(綏靖→安寧→懿徳→孝昭→孝安→孝霊→孝元→開化)→⑩崇神(すじん)→垂仁→景行→成務→仲哀→応神→仁徳→履中→反正→允恭→⑳安康→雄略……(中略)……孝明→明治→大正→昭和→今上
戦後生まれでよかった、とつくづく思う。
さて、十代・崇神天皇のとき、大和地方に疫病が蔓延し、多くの人々が亡くなった。
困り果てた崇神は、疫病の原因を探るために巫女の百襲姫(モモソヒメ)の神懸かりに頼った。
すると、三輪山の神・大物主(オオモノヌシ)が百襲姫に乗り移って、「わたしが疫病を蔓延させている」と告げる。
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