沢田研二の光源氏 1981年 TBSテレビドラマ
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ただし、源氏が関わった二番目の女君である葵の上だけは、「恋路」とは無縁だった。
<恋路の本流>でもなければ、支流でもない。
葵の上との結び付きには、源氏自身の意思が働いていないからだ。
親同士の利害が一致した、しかし二人にとっては不幸な「政略結婚」であった。
左大臣の娘である葵の上は、もともと東宮妃になるべく育てられてきた。
本人も、ずっとそのつもりだった。
ところが、急に源氏との縁談を知らされる。
東宮妃から、ゆくゆくは中宮(皇后)になる夢が破れたことが不満だったようだ。
源氏は、より内面的に失望する。
初夜に結婚の実態を知った源氏は、自分が好きでたまらないのは藤壺であることに改めて気がついた。
夜が明けると走って内裏へもどり、藤壺の部屋に駆け込もうとするが、御簾の向こうから凛とした声が聞こえてきた。
御簾(みす)
「もう、ここに来てはいけません」
藤壺の声である。
光源氏、元服の儀 京都 風俗博物館
このとき、源氏は元服を終えたばかりの12歳。
義理の母の藤壺は16、正妻の葵の上は15。
現在の感覚からすると、10歳ほど若い。
源氏が17のとき、『源氏物語』でも有名な<雨夜の品定め>で、頭中将ら恋愛経験ゆたかな先輩たちから、「上流階層の女よりも中流の女のほうがユニークでが面白い」ときく。
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Amazon.co.jp イギリスが早々と参加表明したのは意外だった。あれで、流れが変わった。
「利は血よりも濃し」。日米はどうする?