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賢木⑩母恋し

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長谷川一夫の光源氏
 長谷川一夫の光源氏

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内裏
 内裏 右端上に桐壺

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紫宸殿
 紫宸殿(ししんでん)
 内裏(だいり)の正殿 上の図のまんなか下

   ◇   ◆   ◇   ◆   ◇   ◆   ◇

この年齢になって、「后」どころか娘である斎宮の伊勢下向に付き添う形で、ふたたび内裏を目の当たりにするとは---。

16歳で故・東宮(皇太子)に嫁ぎ、20の時に先立たれ、30のいま伊勢下向にあたって再び内裏(だいり)を訪れている。

ちなみに、光源氏は当時23歳である。

ここで、23年間に関わった女君たちをざっと並べておこう。

まず、母・桐壺更衣に生き写しの藤壺の宮

初恋の人であり、片時も忘れられない「永遠の女性」だ。

幼いころ、源氏は父・桐壺帝の特別の計らいで、内裏桐壺で暮らしていた。

が生前、住んでいた部屋である。

そのころ、藤壺が女御として(入内(じゅだい)した。

源氏は女房たちから、「藤壺の宮様は、亡くなった母上と生き写しでございます」と繰り返し聞かされる。


わたしの勝手な解釈だが、源氏の<恋路の源流>は幼くして亡くしたへの慕情、つまり「母恋し」である。

そして、の面影をみる藤壺が、源流から流れだした<恋路の本流>だ。

憧れから恋心に変わるが、藤壺はしょせん父・の女御(のちに中宮)である。

その寂しさを紛らわすために、源氏はあくなき恋の狩人となる。

腕の立つハンターは、獲物を取り逃がすことはまずない。

「夫のある身ですから」と遠ざかった女君も、こころは源氏にあった。

藤壺も、そのひとり。

本流から分かれて、<恋路の支流>が源氏女君たちとの多様な関係性をもってそれぞれ流れはじめる。

「ただの浮気者ではないか」といえばいえなくもないが、それでは身も蓋もない。

また、源氏が関わった二番目の女君であり正妻の葵の上だけは<恋路>とは無縁である。



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