六条御息所の邸宅跡であり、のちに光源氏が豪華絢爛たる「六条院」を築いたとされる
ただし、渉成園の図録はそのことを否定している
渉成園から京都タワーを望む
池泉回遊式庭園をもつ東本願寺の飛地境内
徳川家光から約一万坪を寄進され、石川丈山の趣向を入れた作庭がなされた
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
源氏と御息所(みやすどころ)は、およそ1年ぶりに顔を見交わした。
かつて御息所が源氏を恋い慕っていた歳月は、源氏はその気になればいつでも会えるので安心しきっていた。
男を安心させる女は、恋の手練れではない。
しかも御息所の情が深すぎることが鬱陶しくなって、だんだん足を運ばなくなった。
そんなとき。
あろうことか源氏は激しい嫉妬にかられた御息所の生霊が、夕顔と葵の上に襲いかかってとり殺すところを目撃した。
源氏の気持ちは急速に冷め、嫌悪感すら覚える。
でもやはり、御息所が都を遠く離れて伊勢へ下るときくと心穏やかではなく、最後の別れを告げるために野の宮に駆けつけたのだった。
久しぶりの対面は、走馬灯のように昔のさまざまなことを二人に思いおこさせた。
源氏は来し方行く末を思い、たまらなく切なくなって泣いている。
御息所は、「貴方のことをそんなに思ってはおりません」と気持ちをけんめいに隠そうとしているが、隠しきれていない。
源氏はますます気の毒になって、伊勢への下向を思いとどまるよう繰り返し勧めた。
月は、もう山に入ったのだろうか。
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