紫式部「源氏物語」と清少納言「枕草子」
唐楽『青海波(せいがいは)』を舞う、光源氏(左)と頭中将(右) 「紅葉賀の巻」
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
頭中将は葵の上の兄としてもちろん嬉しいが、どうにも不思議でならない。
ふたりの馴れ初めtら、妹の死までのことについて思いめぐらした。
源氏が14歳、葵の上が17歳のときに結婚して以来ずっと、ふたりの夫婦仲が冷たくよそよそしかったことを誰よりも身近にいたのでよく知っている。
源氏はよその女のところに通うのに忙しく、めったに正妻である葵の上のもとに足をむけなかった。
たまにやって来ると、こんどは葵の上が自分の部屋に閉じこもったまま出てこない。
玄関で迎えようとしないどころか、父の左大臣に強く促されるまで源氏に会おうとしなかった。
しぶしぶ会っても、あいさつを交わすこともなくそっぽをむいたまま黙ってすわっている。
桐壺院が心を痛めて、源氏にもっと葵の上を大事にするよう諭したこともある。
源氏はつねづね、左大臣がなにかと気を使ってくれていることを申し訳なく思っていた。
義母の大宮は桐壺院の妹で、源氏には叔母にあたる。
すなわち、源氏と葵の上はいとこ同士である。
かくも、ふたりは血縁的に関係が深い。
しがらみにからめとられて、源氏は葵の上と縁を切ることができず、不本意ながら夫婦を続けているのだろうと気の毒に思ったこともある。
だが、源氏は妹を正妻として特別な存在と考えてくれていたようだ。
そうと分かると、頭中将は葵の上の早すぎる死がますます惜しまれてならない。
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エジプトとイスラエルでの発言を聞いていたとき、安倍さんはなんの必要があって残虐非道な「イスラム国」を挑発するのだろうと心配になった。
この人、今さらだが一国の首相(自衛隊の最高司令官)として危い。近々集団的自衛権が発動したら、
国内でテロが頻発する可能性すら---