内裏 温明殿(うんめいでん)は中央東
『源氏物語絵巻 宿木』より
琵琶を奏でる匂宮(におうみや:光源氏の孫)
女房装束(十二単)姿の女性と直衣(のうし)の男性
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
ある日、夕立のあとの涼しくなった宵闇に紛れて、源氏が温明殿(うんめいでん)の辺りをそぞろ歩いていると、源典侍(げんのないしのすけ)が琵琶をみごとに弾いている。
源典侍は、帝の御前で管弦の催しがあるときはいつも男たちにまじって琵琶を弾くほどの名手。
いまは物思いにふけっているらしく、ことのほか音色が哀調を帯び、歌声は憂いを含んでいる。
しばらく弾いたあと、こんどは思い悩んでいる様子だ。
源氏は、「東屋」という密会の歌を口ずさみながら近づいていった。
「雨に濡れております。戸を開けてください」
「戸は閉めてありません。早く押し開けていらっしゃいませ」
部屋に入って軽い冗談を言い交わしているちに、源氏は源典侍の絡みつくような深なさけに辟易しながらも、「こんな関係も捨てたものではないな」と思い直して、添い寝してしまった。
そこへ、頭中将が忍んでくる。
源氏は、だれか近づいてくる気配を感じた。
年老いてなお多情な源典侍のこと、付き合っている男がやってきたのだろうと察して、直衣を手に屏風の裏に隠れた。
20歳前の自分が老女と添い寝しているところを見られるのは、やはり恥ずかしい。
隠れる一瞬早く、源氏の後ろ姿をみた頭中将は、からかってやろうと屏風をゆすり、わざと大きな音を立てて畳んだ。
それからひどく怒った形相で、太刀を抜く。
源典侍は、男女の修羅場を何度かくぐり抜けてきている。
気は動転しているが、頭中将をしっかりと掴まえて離さない。
「おやめください。おやめください」
20歳前後の若者たちの間で、60歳ちかい老婆が着物をはだけて慌てふためいている様は滑稽をとおりこして惨めだ。
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