直衣 (のうし) 直(ただ)の衣=平常服 色目や紋様は自由
「あゝ弟よ、君を泣く。君死にたまふことなかれ。 ~ 」
与謝野晶子は集団的自衛権をどう思うだろうか。 (下へ)
ふたりとも約束していた女がいるが、からかいあっているうちに別れがたくなった。
牛車に相乗りして、雲のなかに月が趣深く隠れている夜道を横笛を合奏しながら左大臣邸にむかう。
先払いの声を従者にかけさせずにこっそり邸内にはいり、人目につかない渡り廊下に直衣を持ってこさせて着替えた。
それから何食わぬ顔でたったいま帰って来たようなふりをして笛を吹いていると、左大臣が高麗笛をもってやって来た。
左大臣は大変な笛上手で、みごとに吹き鳴らす。
三人が笛に興じているそばに、中務の君(なかつかさのきみ)という女房がもの思わしげに控えている。
中務の君はひそかに源氏と関係をもっているが、別れられずにずっと思い悩んでいる。
なにしろ源氏の正妻・葵の上は、ここ左大臣家の娘なのだ。
それゆえ、源氏がときどき通ってくる。
しかも、源氏と葵の上は新婚当初からうまくいっていない。
左大臣の北の方・大宮(おおみや)は、源氏と中務の君の仲にうすうす気がついているようなのだ。
時として、辛くあたったり不快感をぶつけてきたりする。
中務の君は源氏と会えないほど遠く離れた土地へ行こうとも思うが、やはり心細くて決心がつかない。
源氏と頭の中将はさきほど聞いた末摘花(すえつむはな)の琴(きん)の音を思い出して、見すぼらしかった邸の様子も一風変わった興趣にあふれていたと思い続けている。
頭の中将は想像していた。
「もし美しくて可憐な女があんな荒れ果てた邸で長い年月をわびしく暮らしていたら、たまらなくいじらしくなって、世間の噂になるほど恋に取り乱すだろう」
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よく言われることだが、安倍晋三氏をはじめ戦争体験のない面々がほぼ安倍独裁という形で今の日本政治を牛耳っている。とかく国家主義的で、発言がむだに勇ましい。
「ニッポンは、強いんだぞ!!」
体育会系の薄暗い部室で、ほんの数名の右に偏った顔ぶれによって国の根幹が決められているイメージがある。
とにかく、『集団的自衛権』という名のもとに戦地に行かされて命を落とすのはまず若い自衛隊員であり、将来的には一般の若者が駆り出される可能性だってある。
政府に物申せば、『特定秘密保護法』によって刑務所へ連行される。(今は、そんなことはないというが)
こうして安倍さん悲願の、戦前に回帰したかのような『美しい国 日本』が実現する。
「~親は刃(やいば)をにぎらせて 人を殺せとをしへしや~」
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末摘花⑧中務の君の恋
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