二条院候補地(陽成院跡) …夷(えびす)川児童公園前の説明板 中京区夷川通小川東入東夷川町
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二条院…光源氏の母・桐壺更衣の実家を桐壺帝が増改築した
一番鶏が鳴くころ、ようやく惟光(これみつ)が戻ってきた。
源氏はいつも近くにいてほしい惟光が出かけていたことに腹を立てているが、ぐっと我慢して何も言わず、その夜の顛末を説明しようとした。
しかし、あまりにもあっけない出来事で、何をどう切り出せばいいのか思いつかない。
惟光の顔を眺めているうちに気持ちが緩んで、悲しみが込み上げてきた。
夕顔の亡骸を抱き抱えたまま、さめざめと泣きはじめる。
涙を流しているうちに少しずつ落ち着いてきたのか、とつおいつ話し始めた。
「夜中に、奇怪なことが起きた。夕顔が、女の生霊(物の怪)に取りつかれて殺されたのだ。まずは誦経するのだろうが、やはり蘇生するよう願を立ててやりたい。そのために、お前の兄の阿闍梨(高徳の僧)に来てほしかったのだが……」
「兄は昨日、比叡山に戻りました。それにしても薄気味悪い事件ですね。夕顔殿は前から御気分でも悪かったのでしょうか」
「そのようなことは、なかった」
源氏の涙する様子がとても優美でつらそうなので、惟光も悲しくなって泣き始めた。
「これから、私はどうすればいい?」
源氏は惟光を頼りにするが、惟光とてまだ10代の若者。
豊かな人生経験を積んているわけではない。
「邸の留守番役に、相談してはなりません。留守番役は口が固くても、身内に口の軽い者がいるかも知れません」
「分かった」
「源氏の君はまず、この邸を退出して下さい」
「ここより人目につかない場所が、どこにあるというのだ」
「人々が起き出す前に、急いで二条院にお帰り下さい」
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ソチ五輪のフィギュアスケートで男子初の金メダルに輝いた羽生結弦選手(仙台市出身)が喜びを爆発させることなく驚くほど冷静なのは、「東日本大震災」のことが脳裏を去らないからだそうです。
トリノ五輪金の荒川静香さんとは東北高校→早稲田大学→オリンピックの金メダルと、先輩・後輩の関係のようです。
中・高時代、学校の成績はオール5だったとか。
二人の金メダリストを輩出した高校は、他にあるのだろうか。
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夕顔⑨光源氏、二条院に戻る
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