空蝉(うつせみ)関連の系図
空蝉と軒端荻(のきばのおぎ)の囲碁の対局を垣間(かいま)みる光源氏 『宇治市源氏物語ミュージアム』
○ 逢ふことの 夜をし隔てぬ 仲ならば
ひるまも何か まばゆからまし
毎晩お逢いしている仲でしたら、ニンニクの臭う昼間の逢瀬も恥ずかしくないのですがー。
頭中将と左馬頭(さまのかみ)は、顔をしかめた。
「えっ、ニンニクの臭う中で会うって?そんな女がいるものか。鬼と会う方がよっぽどましだ」
若い光源氏は終始、聞き役に徹していた。
3人の恋話を、時には耳をそばだてて時にはうつらうつらしながら聞いていたが、心の中ではずっと「ある方」の面影を追っていた。
「あの方以上の女は、この世にはいない」
そう確信しつつ、一方では、頭中将(とうのちゅうじょう)の「中流の女は面白い」という言葉が妙に心に引っ掛かっていた。
今のところ、藤壺(ふじつぼ)と六条御息所(ろくじょうみやすどころ)そして正妻の葵の上ら、上流中の上流の女しか知らない。
「中流?中流の女?」
源氏生来の好き心が動いた。
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★今から、光源氏が落魄の身を癒した須磨と明石に出かけます。(2泊3日)