同僚と女は、琴と笛で合奏を始めた。
しばらく演奏したあと、男が女を冷やかして和歌を詠んだ。
○ 琴の音も 月もえならぬ 宿ながら
つれなき人を ひきやとめける
琴の音色も月の光も申し分ないほど美しいが、琴の調べで薄情な男を引き留められましたか
女の返歌。
○ 木枯に 吹きあはすめる 笛の音を
ひきとどむべき ことの葉ぞなき
木枯らしに吹き合わせているような美しいあなたの笛の音(あなた)を引き留めることができるほどの琴と和歌の腕前は私にはありません
この和歌の冒頭「木枯」によって、その女を「木枯らしの女」と呼ぶ。
【源氏物語】 34~54帖の名称
第2部 光源氏の晩年 (41~52歳)
34 若菜 上 わかな 源氏39歳冬~41歳春
35 若菜 下 41歳春~47歳冬
36 柏木 かしわぎ 48歳正月-秋
37 横笛 よこぶえ 49歳
38 鈴虫 すずむし 50歳夏~秋
39 夕霧 ゆうぎり 50歳秋~冬
40 御法 みのり 51歳
41 幻 まぼろし 52歳の1年間
○ 雲隠 くもがくれ 本文なし (光源氏の死を暗示)
★薫:源氏の正妻(女三宮)の不義の子。因果応報
42 匂宮 におう(の)みや 薫14~20歳
43 紅梅 こうばい 24歳春
44 竹河 たけかわ 14~23歳
第3部 宇治十帖
45 橋姫 はしひめ 20-22歳
46 椎本 しいがもと 23歳春~24歳夏
47 総角 あげまき 24歳秋~冬
48 早蕨 さわらび 25歳春
49 宿木 やどりぎ 25歳春~26歳夏
50 東屋 あずまや 26歳秋
51 浮舟 うきふね 27歳春
52 蜻蛉 かげろう 27歳
53 手習 てならい 27~28歳夏
54 夢浮橋 ゆめのうきはし 28歳 (完)
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