正式名称:賀茂御祖神社 (かもみおやじんじゃ)
①賀茂祭 (葵祭)の御禊の日、行列に参加する光源氏の姿を見物しようとして、葵の上が乗っていた牛車と六条御息所が乗っていた牛車が、場所取りをめぐって「車争い」が起きた。
②光源氏は須磨へ下る前に、下鴨神社に参拝する。
ムラサキシキブ (紫式部) クマツヅラ科の落葉低木
「もし何の取り柄もない女がいるとしても、幸か不幸か、そういう女とお近づきになったことはありません。
文句のつけようのない完璧な女と何の取り柄もない女は、恐らく同じ数だけいるのでしょう。
つまり、ほとんどいないということです」
頭中将は続ける。
「上流の家柄に生まれて深窓で育てられると、女房たちによって良い面だけが世間に伝わるので、実態以上に素晴らしい女に思われがちです。
その点、中流の家で育った女はありのままに近い姿を世間に知られますが、これがなかなか面白いようです。
なお、下流の女とは接点がありません」
女をひいては男を上流、中流、下流に分けて論じる頭中将、つまり 『源氏物語』の人物観には違和感を否めないが、当時の身分社会においては当たり前だったのだろう。
源氏が始めて語りだした。
「女を上・中・下の3つの階級に分けるのはいいが、それほど単純ではないような気がします。
例えば、上流の家に生まれた女が、今は落ちぶれている場合はどうでしょうか。
逆に、中流に生まれた女が立身して、華やかに暮らしている場合は?
女を上・中・下に分けるのは、そう簡単にはいかないようです」
源氏が語り終えた頃、人生経験も女性経験も豊富で、弁の立つ左馬頭 (さまのかみ)と藤式部丞 (とうしきぶのじょう)がやって来た。
二人とも、名うての恋の手練れだ。
いよいよ本格的な「女性談義」が始まる。
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