平成25年10/31(木)~11/4(月) 午前9時~午後3時30分
宮内庁の職員に、「桐壺更衣や藤壺が居た建物は見られないのですか」と尋ねたところ、「毎年は公開しておりません」とのこと。
御所のあと、『源氏物語』にまつわる土地や施設でまだ行ったことのなかった「上賀茂神社」と「下鴨神社」に足を延ばしました。
雨夜の品定め
五月雨の夜。
宿直(とのい:泊まり勤務)で宮中の自室にいた源氏のもとへ、親友でライバルの頭中将(とうのちゅうじょう)が、ひまを持て余してやってきた。
頭中将は、源氏の正妻・葵の上の兄でもある。
源氏は17歳になっていた。
葵の上が4歳年上の21歳だから、頭中将は23~25歳といったところだろうか。
「容姿」においても「教養」においても「芸事」においても「立身出世」においても、源氏が当時の貴公子たちのうちの№.1であり、頭中将が№2であった。
二人は「色事」においても、お互いを意識して競っていた。
現代におきかえると、高校2年の男子生徒が社会人の先輩と「色恋の道」を競うということになる。
よほど特殊なケースではあるのかも知れないが、常識的にはちょっと考えにくい。
しかし、紫式部が生きた時代の男女は早熟だ。
結婚は十代半ばが普通。
源氏が、葵の上と結婚したのは14歳である。
あらゆる「もてる要素」に恵まれていた17歳の源氏は、それまでに相当の恋愛体験を積んでいたと思われる。
そんな源氏に、源氏の次にもてる頭中将が頼んだ。
「女たちからきた懸想文(けそうぶみ)を見せて下さいな」
「少しならいいですよ。見せたくない手紙もあるから……」
「その見られたくない付け文こそ、読みたいんだけど……」
「じゃ、いいでしょう。お義兄さんだから特別です」
源氏は、文箱(ふばこ:書状などを入れておく手箱)を開けて、女たちからもらった恋文の束を取りだした。
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