Quantcast
Channel: 吉備路残照△古代ロマン
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1644

平家物語の群像 重衡被斬i②今生の別れ

$
0
0

$吉備路残照△古代ロマン-大納言典侍  大納言典侍 (だいなごんのすけ 藤原輔子)

重衡は、「出家して髪を形見にとも思ったが、もはやそれもできない」というなり、額の髪の毛を下に垂らして口にかかった部分を歯で切り、「これを形見に」と渡した。

すると、大納言典侍は思いが込み上げてうつ伏してしまう。

ややあって、涙をこらえて言った。

二位尼殿や小宰相殿(平通盛の妻)のように、壇ノ浦の波の底へ沈むべきでしたが、あなた様にもう一度お会いしたくて生き永らえてきました。それも、今日が最後なのですね」

そして、「お姿がやつれて見えます。着替えなさいませ」と、裏地のついた衣の小袖に白衣を添えて渡した。

重衡は着替えながら、脱いだ装束を、「これも形見に」

大納言典侍は、奥の部屋から硯(すずり)をもって来た。

「装束も頂きますが、筆の跡が後々までの形見になります」

重衡は、泣きながら和歌を一首したためた。

 ○せきかねて 涙のかかる から衣

      後の形見に 脱ぎぞ替えぬる

あふれる涙が衣にかかって濡れてしまったが、死後の形見に衣を脱ぎかえてあなたに託します

大納言典侍の返歌。

 ○ぬぎかふる 衣も今は 何かせむ

      今日を限りの 形見と思へば

脱ぎ替えた衣も今は何の役にも立ちません。今日限りの形見と思うと

重衡が、意を決したように立ち上がった。

「来世、また一緒になろう」

大納言典侍が、夫の袂(たもと)に取りすがる。

「どうか、もうしばらく」

宮尾本平家物語(4(玄武之巻))

¥840
楽天

前田敦子[西田幸樹]

¥1,200
楽天

前田敦子はキリストを超えた: 〈宗教〉としてのAKB48 (ちくま新書)/筑摩書房

¥777
Amazon.co.jp



ちょっぴり恥ずかしく思いつつ、昨日、『前田敦子はキリストを超えた:〈宗教〉としてのAKB48』を買い求めました。

筆者はどういう意味で、前田がキリストを「超えた」と主張しているのか。

AKB48のどこが、宗教性を帯びているというのか。

おいちゃんたちが前田敦子AKB48を熱く語ったり論じ合ったりしている内容は、いうまでもなく彼女とグループの歌唱力やダンスについてではありません。

あっちゃんの「人間性」とAKB48という「組織あるいは仕組み」に関心が向いているのです。

場合によっては、平成のアイドルを『平家物語の群像』の番外編として載せてみようかと思っています。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1644

Trending Articles