種子島鉄砲まつり
豊臣秀吉や明智光秀の目覚ましい立身出世ぶりは、門閥主義の大名家ではとうてい考えられないことだ。
徳川時代末期の薩摩藩における、島津斉彬と西郷隆盛との関係を彷彿とする。
信長は地球儀など西洋伝来の文物にも素早く対応し、居合わせた宣教師たちが驚嘆するほどの理解力を示している。
種子島に漂着したポルトガル人がもたらした鉄砲の効用にも、いち早く目をつけて大量生産を押し進め、その独占化を図った。
三段構え一斉射撃という独創的な戦法を考案し、長篠合戦において戦国最強といわれた武田家の騎馬隊を、掌中の駒を倒すようにやすやすと葬りさったのは世に名高い。
刀や槍の時代に鉄砲の威力を最大限に活用して、天下布武の原動力にしたのである。
また腐敗した仏教界を嫌悪した信長は、万里の波濤を越えてやってくるカトリック教徒たちの、布教のためには命をも惜しまぬ使命感と、強靭な意志とに深く共感して、京都や安土において布教を許した。
こうして、信長は神仏をも畏れぬ大魔王の目と、透徹した科学的合理主義者の目をもって、天下統一への道を突き進む。
中世的なるものを破壊し、西洋の科学文明を積極的に採り入れて中央集権の新しい社会体制を構想したのだ。
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夢まぼろしの如く ⑧中世的なるものの破壊
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