「どうせ源氏勢の誰かと戦うのだから、いっそうのこと大将軍の源九郎義経に挑め。義経は出っ歯で色白の小男。
やたらとすばしっこい。鎧直垂を度々着替えるので、見分けにくいかも知れない。注意しろ」
平景清が、再び口を開いた。
「九郎の小冠者がなんだ。いかに勇猛だろうと、何ほどのことがあろう。脇に抱えて海へ放り込んでくれよう」
彼らの勇ましいやりとりを聞いていた平知盛は、兄の宗盛に満足そうに告げた。
「味方の兵どもは、今日は一段と頼もしく思われます。但し、阿波民部重能(しげよし)は、心変わりしたようです。首を刎ねましょう」
平家一門の愚人代表である宗盛は、重能の裏切りに気がついていない。
>平家物語の群像 平知盛①見るべきほどのことは見つ
(悪人代表は父・清盛、善人代表は腹違いの兄・重盛)
「あれほど平家一門に奉公した者だ。はっきりとした確証がないのに、どうして首を刎ねられよう。重能を呼べ」
呼び出された重能が、黒味を帯びた黄赤地色の鎧直垂に薄紅の色に染めた革で威した鎧を着て、宗盛の御前でかしこまっている。
宗盛が、重能に言葉をかけた。
「どうだ重能、四国の者どもにしっかり戦えと命じよ。今日は、顔色が悪いぞ。怖じ気づいたか」
「どうして臆することがありましょう」
そう答えると、重能は宗盛の前を退いた。
知盛は、重能の首を刎ねようと太刀の柄が砕けんばかりに握りしめ、宗盛に目配せしたが、
宗盛の許しが出ないので、どうすることもできなかった。
平家は千艘余りを三手に分けた。
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さる9月15日、平和堂は暴徒と化した反日デモの群衆に3つの店舗が襲われ、売り場が滅茶苦茶に壊されたうえ、多くの商品が略奪された。被害総額は約5億円。
しかも、ネット上に、「また平和堂を襲う」などという書き込みがあるという。
約5億円の被害は。泣き寝入りなのだろうか。
やはりこれも、「愛国無罪」でお咎めなし?
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