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平家物語の群像 義経⑮後白河法皇救出

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$吉備路残照△古代ロマン-瀬田の唐橋 瀬田(勢多)の唐橋(長橋)     歌川広重画

佐々木高綱と梶原景季の先陣争いをきっかけに、畠山重忠の500余騎をはじめ2万5千騎の義経軍が一斉に対岸の敵陣へ雪崩れこんだ。

そうなると、もはや衆寡敵せず。

木曾勢は必死に防戦するが、義経軍は難なく宇治川を突破した。

義経は、鎌倉の頼朝へ宇治川での合戦の次第をくわしく記して伝えた。

頼朝は何より先に、「高綱はどうした」と使者に尋ねる。

使者は、「宇治川の先陣でした」と答えた。

義経からの書面を開くと、確かに「先陣、佐々木四郎高綱。二陣、梶原源太景季」と記されている。

義経軍は、そのまま京の都へ突入した。

勢田の橋に向かった3万5千の範頼軍は500余騎の今井兼平勢と対峙していたが、
兼平は宇治方面での味方の敗戦を知ると退却した。

義仲と兼平は近江(滋賀県)の粟津で合流し北陸へ脱出をはかるが、範頼軍が襲いかかる。

義仲軍は奮戦するが次々に討たれ、を逃すと、義仲と兼平2騎になった。

-------義仲⑬さてこそ粟津のいくさはなかりけれ

-------④あつぱれ、よからう敵がな

義経は後白河法皇を守ろうと5、6騎を率いて院の御所・六条西洞院に駆け付けた。

門前で馬から降りて、門を叩き、大音声で告げる。

「鎌倉の源頼朝の弟・九郎義経が、御所の守護のために駆け付けました。門を開けて下さい」

後白河は、義経を中庭の端に呼び、合戦の模様を尋ねた。



「頼朝が木曽の狼藉を鎮めるため、範頼と義経に6万騎を与えて上洛させました。範頼勢は勢田方面から来ますが、まだ一騎も姿を現していません。
義経は宇治橋を攻め、御所を守護するために馳せ参じました。義仲は賀茂河原を北の方へ逃げました。今ごろは、討ち取られているでしょう」


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