Quantcast
Channel: 吉備路残照△古代ロマン
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1644

夢まぼろしの如く ④弱肉強食の世

$
0
0

$吉備路残照△古代ロマン-群雄割拠 群雄割拠

自身が喪主である葬儀の日、父の位牌に思いっきり抹香を投げつけた信長は、以後おのれ一人の力で、血で血を洗う凄惨な戦乱の世を、生き抜いていかねばならない。

将来への打ち消しようのない不安と、じわじわと胸にこみあげてくる風雲の志がないまぜになって、全身全霊が打ち震えるような思いであったろう。


しかしながら、家臣や領民たちの信望は、うつけの信長よりも、貴公子然とした弟の信行にあった。

実母の土田御前さへ、奇矯な振る舞いの多い嫡男の信長を遠ざけ、信行を偏愛する。

筆頭家老の林通勝柴田勝家も信行側へ走った。

守り役の平手政秀は、信秀の死後も、いっこうに改まらない信長の素行を戒めてか、自ら命を絶つ。


そんな絶望的な状況の中で、骨肉相争う織田家をまとめ、今川家斎藤家など四隣の強敵を倒さねばならない。

倒さねば、自分が滅びる。


こうして、弱肉強食という非情にして残酷な戦国の世の掟が、信長の行動原理となった。

実弟の信行や主家筋の織田家をはじめ、敵対する同族を、知略や謀略によって次から次に滅ぼしていく。

しかも驚くほど早い時期に、信長には天下という観念が芽生えている。


現代語訳 信長公記〈上〉/太田 牛一

¥2,940
Amazon.co.jp

名将名言録 一日一言/火坂 雅志

¥2,100
Amazon.co.jp

太原雪斎と今川義元 (PHP文庫)/江宮 隆之

¥800
Amazon.co.jp

    ペタしてね     読者登録してね


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1644

Trending Articles