横笛像 二人がやりとりした恋文で作った 奈良法華寺
横笛は、高倉天皇の中宮建礼門院徳子に仕える雑仕女 (ぞうしめ 雑用係) であった。
ある日、清盛の西八条殿で催された花見の宴で、横笛は舞いを披露するよう指名される。
横笛が舞い始めると、斎藤時頼は、初めて見る横笛の美しさと舞う姿の優美さに、心を奪われてしまった。
一目ぼれしたのである。
横笛のことが忘れられなくなった時頼は、手紙を何通も書いて自分の気持ちを伝えた。
無骨な文面ながら真情溢れる時頼の手紙に、横笛もいつしか心を引かれてゆく。
こうして時頼と横笛は深く愛し合うようになり、絶えずお互いのことを想い続けるようになった。
しかし、ある日、時頼の父茂頼が、時頼と身分の低い横笛が相思相愛の仲であることを知って激怒する。
茂頼には、平家の棟梁重盛に仕えている息子を、何とかして一門につながる姫君に婿入りさせて、
出世コースを歩ませたいという現実的な親心があった。
だが、時頼はそういう生き方はしたくない。
「人はどんなに長生きしようと80歳までです。しかも、人生の盛りはせいぜい20年間ほど。
身分が高かろうと、好きでもない女と連れ添ってどうするのでしょう。
しかし、横笛と一緒になれば父上の命に背くことになります。これは、仏道を目指すよい機会なのかも知れません」
時頼には、もともと仏の教えに対する憧れがあったのだろうか。
19歳のとき、「まことの道に入りなん」 と、横笛に告げることもなく髪を下して、嵯峨の往生院に入って修行した。
時頼の出家を人づてに聞いた横笛の驚くまいことか。
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平家物語の群像 横笛②恋路のさまたげ
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