三草山の戦い 義経vs資盛
「維盛殿の兄弟は播磨と丹波の境にある三草山を固めていましたが、義経に攻められて、資盛殿・有盛殿・忠房殿の3人は播磨の高砂から船に乗り、
讃岐の屋島へ渡られました。師盛殿は、討たれました」
事情に詳しい人が、そのように教えてくれました。
「また、その人に、『維盛殿は、如何されました』 と尋ねますと、『維盛殿はいくさの前に病気になられ、参戦されておりません』 ということでした」
斎藤五がいうと、北の方の嘆きの種は尽きない。
「われらのことを心配するあまり、病になられたのでしょう。病名は尋ねなかったのですか」
六代と夜叉も、「地上が何の病気か、聞かなかったの?」と尋ねた。
幼い子供の、健気な様子が哀れである。
一方、維盛も、「今ごろ都では、3人とも心細く覚束ない日々を送っていることだろう」と案じていた。
「都大路の首の中にはなくても、矢に射られたり水に溺れたりして死んでいるかも知れない、と心配しているだろう。露の命がまだ憂き世にあることを知らせよう」
有為転変する秋葉原の超現代史。芸能界の大物に学んで下さい。
使者を立てて、3通の手紙を託した。
北の方には、「都は源氏勢で満ち、つらい思いをしていることでしょう。幼い子どもたちともども、どんなに寂しいことか。屋島へ迎えて一緒に暮らせればとは思いますが、こんな生活をあなたにさせるのは痛ましい」などと記した。
ふたりの子供たちへは、同じ言葉を記した。
「つれづれをば何としてかは慰み給ふらん。これへ迎へ取らんずるぞ」
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平家物語の群像 維盛⑯露の命の憂き世に
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