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Channel: 吉備路残照△古代ロマン
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平家物語の群像 小督⑧出家そして追放

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$吉備路残照△古代ロマン-小督局の塚小督局の塚 京都東山 清閑寺


内親王の誕生を時の権力者に隠し通すことは不可能だろう。

「小督が行方をくらませたというのは、偽りだったのか」

憤激した清盛は、小督を捜しだすと、ただちに東山の清閑寺で尼にして、内裏から追放した。

時に、小督23。

出家はもとより望んでいたが、愛する者たちと生木を裂かれるように別れさせられるのは、やはり身に応える。

『平家物語』 によると、小督が内裏を去った悲しみのあまり高倉は亡くなった。

このあたり、『平家』作者は、またまた清盛を横暴な大悪人に仕立てている感がある。

史実は……、

治承元(1176)年 小督が範子内親王を生み、出家

治承2(1177)年 中宮徳子が言仁親王 (安徳天皇) を生む

治承3(1178)年 女房藤原殖子が守貞親王 (後高倉院)

           女房少将局が惟明親王
         
           女房按察典侍が潔子内親王を生む

治承4(1179)年 女房藤原殖子が尊成親王 (後鳥羽天皇) 
            を生む


  勉強や仕事に役に立つそうですが……

   
こう書くと身も蓋もないが、高倉は、小督がいなくなった悲しみでこの世を去ったどころか、いたって元気だ。記録に残っているだけでも、3年ほどの間に、これだけの女性と子らがいる。

小督ひとりを、命をかけて愛していたわけでもなさそうだ。


元久2(1205)年 『明月記』 によると、藤原定家が、嵯峨で病に臥せている小督を見舞っている。

その後、小督の消息は杳として知れない。


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