『安徳天皇縁起絵図』 赤間神宮所蔵
源平の最終決戦である壇ノ浦の戦いで平家の敗北が決定的になると、二位の尼や安徳天皇をはじめ一門の者が次々と入水した。
ところが、棟梁である宗盛は船の中を逃げ回っていた。
その余りのみっともなさに、家来たちは宗盛を捕まえて海に突き落とす。
しかし、皮肉なことに宗盛は泳ぎの名手。
海を泳ぎ回っているところを、源氏の兵に生け捕られた。
『平家物語』は、宗盛は肥満だったため浮きやすかったともいう。
このあとも、宗盛の子孫の方々には耐えられないような人物描写が続く。
一方、教経は源氏軍を相手に獅子奮迅の活躍をした後、義経を取り逃がすと潔く海に飛び込んだ。
こうした一切を、冷静に見届けていたのが知盛である。
平家一門の興亡が走馬灯の如く脳裏をよぎって、今、自分の死とともに一門の運命も終わろうとしている。
そうした感慨と諦観が、辞世の言葉に結晶したのではないだろうか。
『見るべきほどのことは見つ。今は自害船せん』
…… ……
○これを見て、侍ども二十余人、後れ奉らじと、手に手を取り組んで、一所に沈みけり。
侍たち20人余も、後れてはならじと手に手を取って同じ所に飛び込んだ。
○その中に、越中次郎兵衛・上総五郎兵衛・悪七兵衛・飛騨四郎兵衛は、何としてか逃れたりけん、そこをもまた落ちにけり。
越中兵衛と上総兵衛と悪七兵衛、そして飛騨四郎兵衛らはどのようにして逃れたのか、また落ち延びていった。
…… 原文に忠実な訳ではありません ……
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平家物語の群像 平知盛②これを見て、侍ども二十余人
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