源氏物語名場面61
玉鬘 壱陸
灯とうみょう明
神仏
に供える火
ほかに、法灯・神灯・篝火・灯火
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乳母の驚くまいことか。
「屏風の向こうに右近さまが!?
奇遇としか―、
それもこれも《観音様》のお導きです」
双方を隔てていた屏風を取り払うと
乳母と右近は
互いに駆け寄ってひしと抱き合った。
夕顔を想う者同士の
20年余の時の流れを経た邂逅である。
乳母/故夕顔の乳母
右近/故夕顔の侍女
■
乳母、
「夕顔さまは、
どうしておられますか。
せめて
夢の中ででもお会いしたいと
日々願っておりましたが
何しろ
遠い筑紫におりましたので
風の便りにも夕顔さまのお噂を
伝え聞くことがございませんでした。
20年ほど昔になります。
夕顔さまの
行く方が知れなくなり
お預かりしていた幼い姫君/玉鬘を
夫の赴任先の【大宰府】へお連れしました」
右近は
乳母の悲しみは
如何ばかりかと案じつつも、
―
「夕顔さまは疾うに亡くなられました」
■
日がとっぷりと暮れかかった時分
灯明の用意を済ませた豊後介
が乳母たちを急かせた。
「早く、(長谷寺に)参りましょう」
右近が応じる。
ニューヨーク・タイムズが
「2024年に旅すべき場所」
として山口市を推奨したのに続き
ワシントン・ポストは
12カ所を選んだ特集の中で福井県を紹介した。
紫式部公園