源氏物語名場面59
玉鬘 壱肆
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長谷寺本尊
十一面観世音菩薩立像
右手に錫杖 左手に水瓶
方形の大磐石という台座に立つ。
開山徳道上人が
造立して以来、度重なる
火災により再造を繰り返してきた。
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しかし、誰か、どうしても思い出せない。
ずいぶん若いときに会っているはずだが
遠い記憶と違って
目の前の男は浅黒く太っている。
身なりも、粗末だ。
■
その男が、女の名前を呼んだ。
「三条、母上がお呼びです」
三条と呼ばれた女を見ると、
やはり見覚えがある。
亡くなった夕顔に長く仕えていて
六条の《隠れ家》
にもお供した下働きの女である。
そう分かると
右近は懐かしさと嬉しさが込み上げてきた。
夢のような心地であった。
「探しあぐねている玉鬘さまは、
屏風の向こうにいらっしゃるのかしら」
■
右近は
屏風のすき間から玉鬘を探した。
しかし
中に二重に置いてある小ぶりの
屏風の向こうにいるのか
玉鬘の姿を見ることができない。
「三条に尋ねてみよう。
男の方は兵藤太/ 後の豊後介に違いない」
少しずつ解きほぐれてくると
右近は
今すぐに玉鬘の居場所を知りたいと気が急いた。
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一月の声に歓びを刻め
《性暴力と心の傷》
映画完成披露上映会舞台挨拶
テアトル新宿
映画
演劇、ドラマなどで
「ある役」を演じる俳優を決めてから
脚本を書くことを《当て書き》という。
本作の場合は
ただの《当て書き》ではない
☆
三島有紀子監督
自身の凄惨な記憶の数々
を演者としての前田敦子に託した
という意味での《当て書き》である。
☆
ここ2、3年
監督や共演者たちから前田敦子
シャ-マン説が聞かれるようになった。