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Channel: 吉備路残照△古代ロマン
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㉞紫の上 肆

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源氏物語名場面㉞

 

紫の上 肆

女三宮

 

 

 

女三宮と猫

鈴木春信

 

浮世絵師の手になるからか

平安時代の皇女いうより江戸期の

町娘のような佇まいと雰囲気

女三宮朱雀帝の第三皇女

源氏に降嫁した時は

幼くて頼りないが品が良く美しかった

 

🔲

  

源氏不惑を迎える絶頂期のころ。

 

近く

出家する心づもりの朱雀院

うら若い女三宮の行く末が心配だった。

 

幼い頃に母親を亡くしており

頼り甲斐のある後見人も見当たらない。

 

朱雀院考えあぐねた末

〈准太上天皇〉になったばかりの

異腹の弟源氏への降嫁を思いついた。

 

 

年が改まった二月半ば

女三宮【六条院】に輿入れした。

 

紫の上

源氏女三宮正妻して

迎えたことで心中穏やかではない。

 

幼い頃から

父のような兄のような源氏育てられ

溢れるような愛情を受けてきた

紫の上とって

女三宮の輿入れは屈辱的であった。

 

 

新婚三日間は

盛大かつ華やかな宴が催されたが

一見したところ

紫の上は宴の世話に余念がなかった

 

新郎は三日三晩、

新婦とともに過ごすのが習わしである。

 

紫の上は初めてのことに、

寂しくてしとど枕を濡らした。

 

 

人前では健気に振る舞っているが

何日も物思いに沈む状態が続き

ついに病に臥せてしまった。

 

心を病んだ紫の上出家したい

申し出るが源氏は頑として許さない。

 

 

明朗快活な紫の上はもういない。

     

紫の上

○目に近く うつればかわる 世の中を

    行く末遠く 頼みけるかな

 

目の前のことでも

時が経てば変わる夫婦仲を

行く末長くと頼りにしておりました

 

○身に近く *あきや来ぬらん 見るままに

   青葉の山も うつろいにけり

 

*秋が身近に来たのでしょうか、

わたしも*飽きられる時が来たのかしら)

見ているうちに

青葉の山も紅葉に色変わりしてしまいました

 

 

次回は、藤壺の決意

 

 

 


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