源氏物語
47帖 総角
薫24 匂宮25 大君26 中の君23
夕霧50 明石中宮42
光源氏 紫の上
『源氏物語』には、
3歳の時に母・桐壺更衣を亡く
した源氏の〈母恋物語〉の要素がある。
4歳の時に
祖母が逝去すると父・桐壺帝の特別の計ら
いで母が住んでいた内裏の【桐壺】を与えられた。
その頃、
源氏は女房たちに度々聞かされる。
「藤壺宮は、母上と生き写しでございます」
母の顔を覚えていない源氏は
宮に懐かしさを覚え、成長とともに恋心に。
1帖〈桐壺〉
18の春、
源氏は病気療養のため
北山(鞍馬山)に滞在していた。
散歩の道すがら、
ある家の庭を柴垣越しに垣間見る
と上品な尼君の方へ少女が駆けて来る。
目を凝らすと、
女の子は藤壺宮と瓜二つ。
その少女(若紫)こそ後の紫の上である。
数日後、
源氏は若紫を「理想の女性」に育てようと
当時の邸である【二条院】に強引に連れ帰った。
5帖〈若紫〉
★
すなわち、
源氏の《恋路の源流》は「母の面影」である。
源流から流れ出た《恋路の本流》は、
母と生き写しの藤壺宮と宮と瓜二つの紫の上。
宮は母の身代わり、
紫の上は宮の身代わりなのである。
つまり、
《恋路の本流》は「母の面影を追う心の旅」。
本流から分かれて、
支流の夕顔や玉鬘など数多の女君たちと
源氏との恋模様が物語を華やかに彩っている。
番外〈恋路〉
宇治に着くと、薫は匂宮を外に残して《山荘》に入った。
そして、女房の弁の君を呼んだ。
「大君に話しがあるので、すぐに伝えてください。
それからまた合図をするので、今度は、中の君のところへ案内してください」
大君は薫が中の君との婚姻を承知したのだと思い対面するが、薫は大君を諦めてはいなかった。
大君の袖を掴んで、またもかき口説くではないか。
一方、匂宮は薫を装って弁の君に合図を送り、首尾よく中の君の寝所に忍び込んだ。
名作映画案内172
原題*Amadeus アマデウス
1984年公開
監督*ミロス・フォアマン
主演*F・マーレイ・エイブラハム/
サリエリ(宮廷)音楽家
★
ブロードウェイ舞台の映画化
他の作曲家から下品で狡猾で
礼儀知らずと蔑まされていたモーツァルトの
半生を彼の才能を妬むサリエリの視点から描いた。
「私は所詮、
天才の真価が分かるだけの凡庸な人間だ」
160分