源氏物語
37帖横笛
光源氏49 紫の上41 女三の宮23 夕霧28
明石女御21 雲井の雁30 女二の宮25
薫1柏木*入道の宮 匂宮2今上帝*明石女御
女房装束/十二単
にょうぼうしょうぞく/じゅうにひとえ
平安時代から江戸時代にかけて、
【内裏】などで高位の官女が着用した服装の総称。
年配の女房、
「あら、若君、お行儀が悪いこと。
困ったものだわ。
あなたたち、散らかっている筍を片付けなさい。
『若君は食い意地が張っておられる』などと口の悪い者が言い触らすかも知れない」
源氏は薫を抱き上げて、
「薫の目もとは、ふつうの子供とはちがう。
私は幼い子を大勢見てきたわけではないが、幼児はただただ無邪気で可愛らしいものとばかり思っていた。
薫(系図上の孫)が今から他の子たちよりも優れているのなら、将来、厄介なことになるかもしれない。
匂宮(実の孫)との間で、危ういことにならなければ良いが--。
いずれにしても私は孫たちが立派に成人した姿を見届けることは出来ないわけだ。
孫たちの花の盛りを見られるのは、寿命あってのこと」
「縁起でもないことを--」
女房たちが口を揃えた。
いつの間にか源氏から離れた薫は、筍を両手で握りようやく2、3本生えてきた歯でよだれを垂らしながら齧っている。
源氏は、「変わった子だなぁ~」とつぷやき、
○ 憂きふしも 忘れずながら 呉竹の
子は捨てがたき ものにぞありける
不愉快なことは忘れられないが薫は可愛くて捨てがたい
源氏が薫の口から筍を取り出して話しかけると、キョトンとして笑顔を見せたかと思うと、源氏の膝からそそくさと下りて隣の部屋へよちよち歩いて行った。
名作映画案内72
原題*The Shape of Water
シェイプ・オブ・ウォーター
2017年公開
監督*ギレルモ・デル・トロ
主演*サリー・ホーキンス/イライザ
★
1962年、米ソ冷戦下のアメリカ。
政府系の研究所で
清掃員として働くイライザは秘密裡に
運び込まれた半魚人(アセット)を目撃する。
幼少期の
トラウマで声の出ないイライザは、
アマゾンの奥で神格化されていたアセット
に心を奪われ人知れず会いに行くようになる。
愛し合うようになった頃、アセットを解剖するという-。
冒頭、スクリーンに明け透けなイライザの日課が。
124分