源氏物語
36帖柏木
光源氏:48 紫の上:40 夕霧27 雲井の雁32
朱雀院50 柏木32 女三の宮:22
薫1 女二の宮24
「紫式部と近江百景」一部
三代目歌川広重画
八月十五日の夜、
石山寺の欄干から琵琶湖の湖面
に照り映える名月を眺めていた紫式部
の脳裏に一つの物語の構想が浮かんだ。
先ほど写経した『大般若経』の裏に書き留める。
「今宵は十五夜なりけりと思し出でて殿上の御遊恋ひしく--」
流謫の主人公が宮中での生活を懐古する場面である。
この一節は、
源氏が須磨に下っていたある満月の夜、宮中での
管絃の遊びを懐古する場面として《須磨》に記された。
この伝承の立場からすれば
『源氏物語』は第1帖《桐壺》では
なく第12帖《須磨》から書き起こされた。
朱雀院、
もし逆縁になるようなことがあれば、と思うと怖ろしく不安で居ても立ってもいられなくなったのです。
それゆえ世間の非難を顧みず、こうして姫宮の様子を見に参ったのでございます」
朱雀院は、優美だが人目に立たない僧形である。
以前から出家願望の強い源氏は羨ましそうに眺めていた。
源氏、
「姫宮はご病気というほどではございません。
御出産以来お食事をほとんど召し上がらないので、少し衰弱しておられるのでございます」
源氏は朱雀院を女三の宮の御帳台(寝室)に案内した。
女房たちが慌てて姫宮の身づくろいをしている。
朱雀院が几帳を少し開けて顔を見せると姫宮が弱々しく、
「わたしはもう長生きなど出来そうにありません。
どうか尼になることをお許し下さいませ」
名作映画案内㊼
海街diary
2015年公開
原作*吉田秋生「海街diary」
監督・脚本*是枝裕和
綾瀬はるか/長女・香田幸
長澤まさみ/次女・香田佳乃
夏帆/三女・香田千佳
大竹しのぶ/三姉妹の母
広瀬すず/異母四女・浅野すず
★
鎌倉市の香田三姉妹宛に突然、彼女たちが幼い
頃に母と離別して鎌倉の家を出た父の訃報が届く。
佳乃と千佳は父の死に何の感慨もないが幸に頼まれ
て葬儀のため山形に赴くと14歳の異母妹浅野すずがいた。
実母を亡くしていたすずは
亡父の再々婚相手の家族と気丈に暮らしている。
126分