源氏物語
35帖若菜下
源氏41~47 紫の上33~39 女三宮15~21 夕霧20~26
明石の君32~38 柏木:25~31 明石女御13~19 冷泉帝23~29
若菜下関連系図
ほどなく、女三の宮は身体に変調をきたす。
女三の宮の懐妊に気づいた乳母たちは疑念を抱いた。
「おかしいわね。
源氏の君は、一年近くお越しになっておられないのに」
乳母は、【二条院】の源氏に「女三の宮の体調が思わしくない」旨の連絡をした。
源氏は気が進まないが、今上帝と朱雀院の手前もあり紫の上の容体が良い日に【六条院】に出かけた。
女三の宮は源氏と会うことさえ避けたいのに言葉を交わせば柏木とのことを悟られるのではないかと恐れて、源氏が何をたずねても黙っていた。
源氏は長く留守にしていたことを怒っているのだろうかと心が咎めて、年配の女房に女三の宮の容体を尋ねると、
「普通のご病気ではないようでございます。
ご懐妊ではないかと--」
源氏、
「妙だな。
あれから一年近く経っているのに、今ごろになって妊娠しているとは」
紫の上をはじめとして、これまで源氏との間に子供のできなかった女君が多い。
それ故、源氏は懐妊などではなく何か他の症状だろうと思って、その話はそれで終わりにした。
源氏はおよそ1年ぶりに【六条院】にやって来たから、早々に【二条院】に戻るわけにもいかず2~3日滞在する。
名作映画案内㉓
ベニスに死す
1971年公開
原作*トーマス・マン (ノーベル文学賞)
音楽*グスタフ・マーラー (教科書レベルの作曲家)
監督・脚本*ルキノ・ヴィスコンティ (国際映画賞総なめ)
伊・仏の合作映画
主演*ダーク・ボガード(アッシェンバッハ)
ビョルン・アンドレセン(タージオ)
★
静養のため
ベニスを訪れていたドイツの老作曲家アッシェンバッハは
ホテルで見かけたポーランド貴族の美少年タージオ
に心を奪われ彼の姿を見るたびに喜びを感じる。
疫病が
流行り始めたベニスに広く消毒液が撒かれたが
アッシェンバッハはベニスを去ろうとせず、
死臭の漂う町をタージオの姿を求め--。
131分