源氏物語
35帖若菜下
源氏41~47 紫の上33~39 女三宮15~21 夕霧20~26
明石の君32~38 明石女御13~19 柏木:25~31 冷泉帝23~29
挿頭かざし
上代、草木の花や枝などを髪に挿したこと。
平安時代以降は造花を冠に挿すこともあった。
幸福を願う呪術的行為が飾りになったもの。
○ 悔しくぞ *つみ犯しける *あふひ草
神の許せる 挿頭ならぬに
*〈つみ〉は「摘み」と「罪」の*〈あふひ〉は「逢う」と「葵」の掛詞
神が許した挿頭ではない葵を摘んで罪を犯したことが悔やまれる。
神は源氏、葵は女三宮のメタファー。
柏木は重大な罪を犯したことを今さらながら後悔していた。
もし発覚すれば自分を可愛がってくれている朱雀院や新帝にどうやって謝罪すればいいのか。
何よりも源氏のことを考えれば身が竦むほどに怖ろしい。
せめて女三宮も自分のことを想ってくれていたら、すこしは源氏の怖ろしさに耐えることも出来るだろうが--。
しかし女三宮と心はまったく通じ合っていない。
不貞ながら相思相愛だった源氏と藤壺の関係とは違う
柏木はもう何日も世間の賑わいを避けて、日がな一日、自分の薄暗い部屋でぼんやりと物思いに耽っている。
そんな夫の塞ぎこんでいる様子が気にはなるが、女二宮にはその理由がまるで分からない。
女房たちがそろって葵祭の見物に出かけてから、女二宮はひとり《箏の琴》を弾くともなしに弾いている。
柏木、
「どうせ同じ内親王なら、あちらの女三宮をいただきたかった」
名作映画案内⑨
レ・ミゼラブル
2012年 158分
イギリスのミュージカル映画
監督*トム・フーパ―(英国王のスピーチ)
主演*ヒュー・ジャックマン/ジャン・バルジャン
ラッセル・クロー/ジャベール
アン・ハサウェイ/ファンティーヌ
1815年
妹の子供のためにパンを盗んだ罪と何度も脱走を
試みた罪でジャン・バルジャンは19年も服役していた。
ある日、仮釈放になって娑婆に出るが、
貧しさと差別から寝食もままならないところに
ミリエル司教が現れて食事とベッドを用意してくれた。
だが、あろうことか
深夜に教会の銀食器を盗んで逃走する。