源氏物語
35帖若菜下
源氏41~47 紫の上33~39 女三宮15~21 夕霧20~26
明石の君32~38 明石女御13~19 柏木:25~31 冷泉帝23~29
夕霧と柏木
寝殿から地面に下りる階きざはしに腰をかけて
蹴鞠あそびで疲れた身体をやすめる夕霧と柏木。
この後、二人が蹴鞠の輪に戻った時にたまたま寝殿の
御簾が跳ね上がって、女三宮の姿が目に入ったのであろう。
風俗博物館
「紫の上はもう長くはないかも知れません。
せめて最期だけでも、今までの罪滅ぼしに出来るだけの看病をして見送ろうと思いましてね。
紫の上がまだ幼いころから育ててきたので、つい何カ月にも渡ってしまいました。
そう遠くない日に、私の気持ちをお分かり頂けるでしょう」
源氏が自分と柏木との秘事を知らないようなので女三宮はひとまず安堵するが、一方では申しわけ訳なさと心苦しさで嗚咽しそうであった。
柏木はようやく長年の思いを遂げたものの、かえって気持ちの晴れない鬱々とした日々を送っている。
葵祭の日には何人もの公達が三々五々誘いに来たが、柏木はことごとく断って何をすることもなく一日中沈鬱な面持ちで横になっていた。
女二宮を大事に思ってはいるが、このところ顔を会わせることはない。
部屋に閉じこもって物思いに耽っていると、女童が葵を手にやって来た。
柏木、
○ 悔しくぞ 摘み犯しける 葵草
神の許せる かざしならぬに
悔しいことに罪を犯してしまった。神が許した仲ではないのに
名作映画案内⑧
シンドラーのリスト
1994年
名匠スティーブン・スピルバーグが
ナチスによるユダヤ人大虐殺から多くの命を
救ったドイツ人実業家オスカー・シンドラーを描いた。
1939年、
占領下のポーランドで一儲けしようとシンドラーはドイツ軍
の幹部に取り入ってユダヤ人所有の工場を払い下げてもらう。
軍用ホーロー容器を作る工場を興したシンドラーは、
安価な労働力としてユダヤ人を雇い入れ事業を軌道に乗せた。
だが、ナチスによるユダヤ人迫害は日を追ってエスカレート。
義か理か。
シンドラーは凄惨な光景を目の当たりにする日が多くなり、ついに
虐殺が始まると私財を投じてユダヤ人を救う決意をする。
監督*スティーブン・スピルバーグ
主演*リーアム・ニーソン
第66回アカデミー賞
作品賞・監督賞・脚色賞・美術賞ほか7部門を受賞。