源氏物語
35帖若菜下
源氏:41～47 紫の上33～39 女三宮15～21 夕霧20～26
明石の君:32～38 明石女御:13～19 柏木:25～31
髭黒左大将36～42 玉鬘27～33 冷泉帝23～29
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源氏物語色紙帖
土佐光吉画 京都国立博物館所蔵
あの春の夕方、
夕霧や柏木らが庭先で蹴鞠遊びをしていた時
追い駆けっこをしていた猫が御簾を捲り上げたので
蹴鞠遊びを眺めていた女三宮の姿が露わになった。
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女三宮と猫
鈴木春信画
浮世絵師の手になるからか、
平安期の皇女というより江戸期の町娘風。
蹴鞠遊びが催されていたとき猫が御簾を巻き上げ
女三宮の立ち姿を目にした柏木は一層心を奪われる。
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柏木、
「まだ、女三宮にお会いできないのか」
小侍従は困り果てるが、明後日、源氏は紫の上看病のため不在なうえに女三宮の御帳台の周囲に女房たちが張り付かないことに気がついた。
その日は、《斎王代御禊の儀》が翌日にせまり、女房たちは儀式を見物するための準備に忙しくて女三宮の近くから出払ってしまう。
もっとも近くで仕えている按察の君は、恋人の源中将と逢うと言っていた。
当日、小侍従は「今だ、今しかない」と思って知らせると、柏木は辺りが闇に沈んだ頃、ひどく粗末な恰好でやってきた。
女三宮の部屋へ向かう途中、柏木は、あの春の夕方の、普通ならありえない出来事を思い出した。
当時、身分の高い女性は男性に姿を見せることはなかった。
猫を繋いでいた紐が絡まって御簾が捲くれ上がり、女三宮の立ち姿が偶然目に入ったのである。
「女三の宮のお側近くで気持ちをお伝えすれば、一言二言でも返して下さるだろうか。
ほんの少しでも、気の毒と思って下さるだろうか」
小侍従は、女三宮が寝入っている御帳台に柏木を導いた。
愛を読むひと The Reader
2008年
監督*スティーブン・ダルドリー
主演*ケイト・ウィンスレット (タイタニックのヒロイン)
