源氏物語
35帖若菜下
源氏:41～47 紫の上33～39 女三宮15～21 夕霧20～26
明石の君:32～38 明石女御:13～19 柏木:25～31㊷
髭黒左大将36～42 玉鬘27～33 冷泉帝23～29
二条院跡候補地(陽成院跡)
京都中央区/夷川児童公園前の説明板
二条院
光源氏の実母桐壺更衣の
実家を桐壺帝が増改築した。
源氏は僧侶や陰陽師をおおぜい招いて繰り返し病気平癒の加持祈祷をさせたが、紫の上の病状はいっこうに快方に向かわなかった。
、
兆しもない。
紫の上は、時々胸の痛みで激しい発作を起こした。
見るからに苦しそうだ。
源氏は心配が高じて、しだいに心細く悲しくなってきた。
胸が塞いで、ほかのことは何も考えられない。
女楽の予行練習を催すほど楽しみにしていた朱雀院〈五十の賀〉の祝いの準備さえ、いつの間にか疎かになった。
その朱雀院から、丁重なお見舞いの手紙が届いた。
紫の上は快方へ向かうこともなく、さりとて悪化することもない容体のまま二月が過ぎた。
かつてないほど悲嘆に暮れている源氏は試みに場所を変えてみようと思い立って、紫の上を【二条院】に移すことにした。