源氏物語
1
35帖若菜下
源氏:41～47 紫の上33～39 女三宮15～21 夕霧20～26
明石の君32～38 明石女御13～19 柏木:25～31
髭黒左大将36～42 玉鬘27 冷泉帝23～29
女楽四重奏
源氏は朱雀院の『五十の賀』に披露するため、
【六条院・春の御殿】の寝殿において
〈女楽〉の予行練習を催した。
風俗博物館
女三宮
明石女御
ほんのり明るくなると、源氏は女君たちの様子に順に視線を送った。
まず女三宮。
女三宮は可愛らしいがひときわ小柄で、衣装に包まれているようだ。
、
女らしい艶やかさも未だしで、見るからに頼りなげ。
枝垂れ始めた柔らかな青柳のように、鶯の羽風にも揺られそうだ。
「女三宮こそ、この上ないご身分のご様子というもの」
明石女御に、視線を移した。
女三宮よりも年下ながらもう少し女らしい艶があり、立ち居振る舞いも奥ゆかしく優美である。
山の稜線から昇ったばかりの朝日を受けて輝く藤の花のようだ。