源氏物語
35帖若菜下
源氏:41~47 紫の上33~39 女三宮15~21 夕霧20~26
明石の君:32~38 明石女御:13~19 柏木:25~31
髭黒左大将36~42 玉鬘27~33 冷泉帝23~29
カザルス弦楽四重奏団
学校で教わった
西洋音楽の〈弦楽四重奏〉の組み合わせは
第一ヴァイオリン 第二ヴァイオリン チェロ ヴィオラ
この組み合わせが
〈弦楽四重奏〉の究極のスタイルであり、
〈オーケストラ〉を凝縮した表現力があるとされる。
源氏物語における
〈女楽四重奏〉の組み合わせは
琴の琴 和琴 筝の琴 琵琶
いずれも、
管楽器と打楽器はなく、弦楽器のみなのは興味深い。
女三宮の「琴の琴」は未熟ではあるが、熱心に学んでいる最中なので危なげはなく、ほかの楽器の音色とうまく響き合っている。
夕霧が拍子をとって旋律を口ずさむと、女君たちの美しい〈四重奏〉に気分が高揚したのか、源氏も扇を打ち鳴らして歌い始めた。
昔よりも歌声がずいぶん重々しく味わい深い。
兎にも角にも初めての〈女楽四重奏〉の試みながら、心を合わせて合奏することによって女君たちの気持ちが一つになっている。
だれしも予想していなかった、心温まる〈弦楽四重奏曲〉の響きわたる貴重な夜となった。
・女君たちが奏でている楽器はすべて弦楽器
先ほどまで煌々と輝いていた月光が雲にさえぎられて心許なくなったので、源氏は部屋の周辺に掛かっている灯籠に灯りを点させた。
ほんのり明るくなると、源氏は女君たちの様子に順に視線を送った。
鳥の歌
パブロ・カザルス