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Channel: 吉備路残照△古代ロマン
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若菜下㉗初旅

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源氏物語

 

35帖若菜下

 

源氏:41~47 紫の上33~39 女三宮15~21 夕霧20~26
明石の君:32~38  明石女御:13~19  柏木:25~31

髭黒左大将36~42 玉鬘27~33 冷泉帝23~29

 

 木綿鬘 

木綿(綿花)で作ったかつら。

物忌みの標識として頭部にかける木綿で作った鬘。

風俗博物館

 

 

 

 

二十日の月は空はるかに高く澄み渡って地上を照らし、海の面は月光に煌めいてはるばると水平線まで見渡される。

 

浜辺には、一面に霜が降りている。

 

松原も、霜の色と見まがうほどに白っぽく映え、目に見えるもの全てがいかにも晩秋らしくしみじみと趣が深い。

 

 

 


紫の上は、普段外出することは殆どない。

 

まして、洛外へ遠出したことは生まれてこの方一度もない。

 

今や死語になっている「深窓の佳人」である。

 

【六条院】で、四季折々に催される風雅な詩歌管弦の催しや歌舞などの遊びに参加したり鑑賞したりするばかりだった。

 

そんな紫の上にとって、京から大阪の住吉大社まで赴くことはかつてない冒険ともいえる大旅行である。

 

新幹線ではない、窮屈な牛車に揺られながらの長旅だ。

 

道中でも住吉大社界隈でも、ほとんど全てが珍しく初めて見聞きするものが多かった。

 

目に鮮やかな山川草木、市井の人々の喧噪と生活の匂い。

 

紫の上


○ 住の江の  松に夜深く  置く霜は


      神の掛けたる  木綿鬘かも

 

住吉の松に深夜に降りた霜は住吉の神

掛けられた木綿鬘でしょうか。

(何と厳かなことでしょう)

 

明石女御が続けて、

 

 

 

 

 

 

 

旅の達人、車寅次郎

 

 


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