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Channel: 吉備路残照△古代ロマン
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若菜下㉖月光

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源氏物語

 

35帖若菜下

 

源氏:41~47 紫の上33~39 女三宮15~21 夕霧20~26
明石の君:32~38  明石女御:13~19  柏木:25~31

髭黒左大将36~42 玉鬘27~33 冷泉帝23~29

 

 

中秋の名月

修復中の熊本城を照らす月光

2020.10.01 18時50分(共同)

 

 

 

 

これほどまでに明石一族の運が大きく開けたのは、やはり霊験あらたかな〈住吉の神〉のご加護によるのであろうか。

 

明石尼君はそう思う一方、俗世を捨て明石を離れてどこか深い山に姿を隠した夫・入道のことを想って不意に涙ぐんだ。

 

しかし、今日は〈願ほどき〉という特別な日である。

 

涙など縁起でもないと思い直して、ほんのわずかでも源氏の気分を曇らせるような言葉は避けて詠んだ。

 

尼君


○ *住の江を  生けるかひある  渚とは

 

     年ふるあまも  今日や知るらむ

                              *住の江/住吉の浜の古称

 

住吉の浜が生き甲斐(貝)のある渚であると

老練な(海人)も今日は思い知ることでございましょう

 

それから、その時の心情をそっと呟いた。

 

○ 昔こそ  まず忘られね 住吉の

 

     神のしるしを  見るにつけても

 

昔の明石でのことがやはり忘れられません。

住吉の神のあらたかな霊験を見るにつけましても
 

 

 

 

二十日の月は空はるかに高く澄み渡って地上を照らし、海の面は月光に煌めいてはるばると水平線まで見渡される。  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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