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Channel: 吉備路残照△古代ロマン
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若菜下㉕杞憂

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源氏物語

 

35帖若菜下

 

源氏:41~47 紫の上33~39 女三宮15~21 夕霧20~26
明石の君:32~38  明石女御:13~19  柏木:25~31

髭黒左大将36~42 玉鬘27~33 冷泉帝23~29

 

 

八月十三日 名月の夜

明石入道に導かれ惟光「岡辺の館」へ向かう源氏

入道は、源氏に娘の明石の君との婚姻を願い

「娘の琴の音を聴いてほしい」と誘った。

ほどなく、明石の君は懐妊する。

13帖〈明石〉

その子は後に女御中宮

なり源氏と明石一族に繁栄をもたらした。

 

 

 

 

明石尼君は、往時を追想して涙ぐんだ。

 

遠い昔、源氏が明石を発って都に戻っていった日のこと。

 

明石の君のお腹には、源氏の子供が宿っていた。

 

都の貴公子が地方に赴いた時など、土地のに子供を産ませたまま顧みないというケースは多々あると聞いている。

 

明石の君と産まれてくる子供は、この先どうなるのか。

 

源氏は、どうするつもりか。

 

源氏と再会する日が、はたして来るのか来ないのか。

 

尼君は、と産まれてくる孫のことが心配でならなかった。

 

 

 

 

今にして思えば、そのような心配はまったくの杞憂であった。

 

それどころか、孫娘が入内して女御になるとは自分たちにはもったいないほどの幸運である。

 

これほどまでに明石一族の運が大きく開けたのは、やはり霊験あらたかな〈住吉の神〉のご加護であろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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