源氏物語
35帖若菜下
源氏:41~47 紫の上33~39 女三宮15~21 夕霧20~26
明石の君:32~38 明石女御:13~19 柏木:25~31
髭黒左大将36~42 玉鬘27~33 冷泉帝23~29
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☆ ★ ☆
源氏は住吉大社に立てた*願ほどきを果たそうと、以前、明石入道から送られてきた文箱を開けると、〈住吉の神〉への*願文がたくさん納められていた。
願ほどき
神仏への立願を解くこと
願文/発願文
大願を立てる時、その趣旨を記した文章
入道の〈願文〉の多くは、子孫たちが今そうであるように都で繁栄することを祈願し予見する内容である。
源氏は、みごとな筆致で認められているがとても現実的とは思えない〈願文〉が今ほぼ成就しようとしていることを想い、入道の底知れぬ曰く言いがたい能力に驚いた。
明石入道の〈願ほどき〉も兼ねていることは〈願文〉の内容が内容だけに公にせず、源氏は自分の栄耀栄華に〈住吉の神〉のご加護があったことへの深い感謝の念を表す参詣とした。
簡素な規模の「住吉詣」にしたい源氏の意に反して、京から住吉大社まで壮麗かつ豪華な車列が連綿と続いた。
女車/女房車の方を見ると、紫の上と明石女御が同じ牛車に乗り、明石の尼君と明石の君が次の牛車に同乗している。