源氏物語
第34帖若菜上
源氏:39~41 紫の上31~33 女三宮13~15 夕霧18~20
明石の君:30~32 明石女御:11~13 柏木:23~25
岡辺の館跡
雨まじりの暴風が吹き荒れたとき以来、
入道の娘/明石の君は高潮を恐れて磯に近い
浜辺の館から山麓の岡辺の館に移り住んでいた。
神戸市西区櫨谷町松本
播磨の明石の里にも、若宮誕生の吉報が届いた。
明石入道は、「源氏の君が須磨に下っておられると知って以来の宿願はすべて叶った」と、明石の君をどうしても源氏に嫁がせたかった理由を手紙に記して【六条院】に届けさせた。
明石の君宛にはかなりの長文だが、要約すると、
「人伝によりますと、姫君/明石女御が東宮に入内なさって、この度、若宮がお生まれになったとのこと、衷心よりお喜び申し上げます。
須磨の里に、源氏の君かお下りになっていることを存じ上げて以来の宿願がついに叶いました。
あなた/明石の君にお伝えしていなかった遠い昔の私の「夢」について記しておきます。
あなたを尼君'(妻)が懐胎したころ、縁起の良い「夢」を見たのです。
私が右手に須弥山を捧げ持っていると、山の左右から日月の光が差し込んで世の中を明るく照らし始めました。
それから、私は須弥山を海に浮かべて、小さな舟で西方を目指して漕いで行くのです。
私はその夢を「瑞夢」と信じ、あなたの将来について大願を抱き住吉大社に願掛けをしました。
あなたが国母となった暁には、ぜひ大願成就の願ほどきをして下さい。
手紙とともに、住吉大社に奉納した数多の願文が封をした文箱に入っている。
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もう思い残すことは何もございません。