源氏物語
第34帖若菜上
源氏:39~41 紫の上31~33 女三宮13~15 夕霧18~20
明石の君:30~32 明石女御:11~13 柏木:23~25
蘆山寺
紫式部出生地跡
「源氏物語」は当邸で執筆されたと考えるのが普通。
毎年、節分の日に行われる鬼おどりは有名。
「京都御所」見学後、
「仙洞御所」を右に見て徒歩8分ほどで行けます。
源氏庭
庭には白砂が敷かれ、
7~9月に咲く紫の桔梗の花が美しい。
境内の至る所に、紅葉が植えられています。
翌朝、源氏はまだ夜が明けやらぬうちに紫の上のもとに戻って来た。
心身ともに幼く頼りなげな女三宮と寝所を共にして、紫の上の魅力が身に沁みたのである。
その日の夜は紫の上と過ごし、女三宮には手紙を梅の枝に結んで届けさせた。
○ 中道を 隔つるほどは なけれども 心乱るる 今朝の淡雪
私たちの仲を隔てる程ではありませんが
今朝の淡雪に私の心が乱れております
翌朝、女三宮から返歌が届けられる。
○ はかなくて うはの空にぞ 消えぬべき
風にただよふ 春の淡雪
わたしは心細くて空に消えてしまいそうです。
風にただよう春の淡雪のように
源氏が故意に広げていたその手紙を目にした紫の上は、女三宮の筆跡が余りにも拙いことに驚いた。
しかし、紫の上は誰にもそのことを口外しなかった。
明くる日、源氏は昼下がりに女三宮を訪ねる。
明るい日差し中では、女三宮はいかにも幼くて頼りなく無邪気である。
源氏は、不思議だった。
「朱雀院は、どうしてこのように女三宮を育てられたのだろうか。
私が育てた若紫/紫の上は、女三宮の年頃にはもっとしっかりしていた。
物の道理も、子供なりに弁えていた」
朱雀院はほどなく西山の御寺(仁和寺を想定)に入ったが、仏道修行の合い間にたびたび源氏に心のこもった手紙を書いて寄越した。
むろん、女三宮のことである。